社会評論家のクリストファー・ラッシュに言わせると、人間は「ナルシシズムの文化に生きている」生物らしい。彼は、ナルシストの抱える典型的な問題を、孤独と親密さへの不安と定義している。
孤独を恐れる一方で、親密さに不安を感じるヒト。
その点、ウェブ世界は完璧だ。 誰かが側にいるという幻想を抱かせてくれる。けれど、親密さを求めてはこない。一人でいながら孤独を感じずに済む強力なシロモノだ。言うなれば、子供の時に常に手元に置いていたぬいぐるみや人形。リアルとは異なる世界で、必要な時必要なだけあなたの相手をしてくれる。
そんな無敵の武器を使ってウェブ時代に何を望むのか。
自分のバーチャルな行動を観察し、それらの行動が自分の、恐らくは満たされない欲望や社会的な絆について何を物語っているのか自問してみる。バーチャルな世界で未解決の葛藤を実演し、個人的な悩みを繰り返し演じてみる。
ウェブ世界で起こっていることは単純明快だ。皆、自分のアイデンティティで遊んでいるだけなのだ。ただし、それは時に危険、時に真剣な遊びで・・
時にリアルな世界に欠けているものを示唆してくれる。
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