梅田 望夫
筑摩書房
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ベストセラー「ウェブ進化論」の作者による書き下ろし。「時間」と「距離」と「無限」の概念が大きく揺さぶられる現代において、人はどう生きて行くべきか。未来を担う若い世代に対する真摯なメッセージが織り込まれた好著。ウェブ進化論のエッセンスが至る所に詰め込まれているので、同著を読んでいない方もすんなり入っていける。
「ウェブ進化によりどういう自由が現代人に開かれたのか、と考えるとき、私は、リアル世界の環境の制約、つまり住む場所や生まれながらに属するコミュニティなどが相対化されて、自らの志向性にあわせた共同体へ移行する自由が与えられたことなのではないかと思う。地縁、血縁、家族、学校、会社といったリアル社会のコミュニティから、「時間の使い方」の優先順位を変えることで「志向性の共同体」へ移行する自由である」
「時間だけが全ての人に平等に与えられたリソースである。その時間を、自らの志向性と波長の合う領域に惜しみなくつぎ込む。それが個を輝かせる。大切な時間というリソースを自分らしくどう使うのか。そこがこれからはますます問われる」
ウェブによって既存の概念が大きく揺さぶられる時代。すなわち意識一つで個を輝かせることが可能な時代でもある。洪水のような情報に溢れた時代だからこそ、情報を取捨選択する勇気と志向性を追求する行動力とが大切になる。著者からのポジティブなメッセージ。もし自分に子供がいたら、是非読ませたい一冊。
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