間瀬元朗作の「イキガミ」。”今 一番泣ける漫画”のコピーと丁寧な作画につられて3巻まとめて購入。医療関係のドキュメンタリー番組や漫画などで「余命あと××年」と宣告された患者の話は目にするが、本作は、残された人生があと一日となった場合、人はどう生きるのか・・という極限の心理状態がテーマとなっている。
物語の舞台は架空の日本。そこには「国家繁栄維持法」なる法律が存在し、1,000人に1人の確率で国民が国家に殺される(何て理不尽な)。主人公は、死亡宣告書・・通称「逝紙(いきがみ)」を、24時間前に本人に配達する公務員、という設定だ。
国家システムなど細かい部分に粗はあれど、「人生最後の瞬間をどう生きるのか」、という部分に読み手は自身を投影する。自分だったら一体どうするか。やり残したことはないか?オムニバス形式で登場する人物たちに共感し、同情し、24時間を疑似体験してしまう。漫画を読んで涙腺が緩みそうになったのはいつ以来だろう。オススメです。
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