早いもので2007年もあとわずか。1年を振り返る特集がそこかしこで組まれているが、日経MJの「ヒット商品番付~ネットビジネス編~」にもノミネートされた「初音ミク(はつねみく)」を皆さんはご存じだろうか(知らなくて良い)。
自分で作成した楽曲に音階と歌詞を入力すると、架空のアイドル「初音ミク」が生声で歌ってくれるという「歌声ソフトウェアシンセサイザ」ソフトウェア。ジャンル的には年間1,000本売れれば御の字のDTM(デスクトップミュージック)という部類らしいが、2007年11月末時点で既に2万5千本強売れている。こりゃ凄ェ。大ブレイクの契機となったのは、9月にニコニコ動画に投稿された「みくみくにしてあげる♪(してやんよ)」という素人作成のオリジナルソング。
美少女系のイラストと甘ったるく舌足らずな声優(藤田咲)を採用、ネット住民率の高いアキバ系の心を鷲掴みした販売戦略が功を奏した・・と事後分析してしまえばそれまでだが、それにしても、この手のソフトウェアが3万本売れるというのは俄に信じがたいものがある。以前から「2ちゃんねる」等で頻用されていた「ぼっこぼこにしてやんよ」というフレーズを転用した「みっくみく」という造語も生まれ、なんでも現代用語の基礎知識にも掲載されたとか。ちなみに、「みくみくにしてあげる♪」は業務用カラオケJOYSOUNDに入曲され、この2ヶ月で200万回近く歌われているらしい。日本ってちょっとコワイ。
2次元美少女キャラクターに萌えるアキバ系の嗜好がソフトウェアの擬人化キャラクター(@美少女)に派生しただけ、という向きもあろうが、「皆で何かを創り上げる」「自分の創作物を第三者に評価してもらう」という昨今のマッシュアップ~ネット世代の自己実現が新しい形で表出し、一つの市場を形成するに至った、という分析が正しいのだろう。
・・とか何とかブログにつらつら書いているワタシのBGMは、「みくみくにしてあげる♪(YouTubeに落ちてます)」。理解不能だがこれも社会勉強・・と何度か再生しているうちに、いつしか耳に残って離れなくなってしまった。終いには無意識のうちに風呂場で鼻歌を歌っていた。誰か助けてください。
まさか、CDデビューしてオリコンチャートイン、何てことには・・ならんよね?
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